先日、日本からのお土産を渡しがてら、抜群の美的センスを持つあこがれのご夫婦宅にお邪魔して、昼食をいただきました。
私たちのバンクーバーでの結婚式にも参列してくださり、
カナダで身寄りのない私たち夫婦にとっては、家族のような存在です。
「簡単なご飯なんだけど・・・」と言いながら出していただいたランチ。
すっごいおしゃれ~~~!!!!!まるで、どこかのホテルに出てきそう。
素敵なランチを囲んで、話に花が咲きました。
ご夫婦は20代で日本を離れてから、半世紀以上をアメリカ・カナダと海外で過ごしています。
UBC(ブリティッシュ・コロンビア大学)で教鞭をとっていたこともあるご主人と、
大学でピアノを教えていた経験があるピアニストの奥様。
海外生活が長いせいか、堅苦しい雰囲気が一切なく、それでいて包容力があり、
私もお二人のように年を重ねられたらいいなあ。
この日のお話で特に印象に残ったのが、日本とカナダの違い。
先日、日本から戻ったときの話になり、夫が、
日本は自分を見失ってしまうほどめまぐるしく変わる国だなぁ、それよりも
シンプルな生活で自分を見つめてマイペースに過ごしたい。
と感じた話をすると、
それをきいた奥様いわく、
たとえば日本のニュース番組を見ていると、アナウンサーや解説員など
話している人のそばに大きな花が置かれていたりバックも華やかで
スタジオのセットが懲りすぎており、どこを見ていいのか迷ってしまう。
あれでは肝心な話の内容に集中できなくなってしまうのでは、と。
カナダのニュース番組では、スタジオは背景などがほとんどなく、
とてもシンプルなセットで、そのぶん話す人や必要なことに集中しやすい。
とおっしゃいました。
このことは私の中で、ストン、と腑に落ちました。
まさにそうなのです。こちらのCMやドラマを見ても、そっけないほど簡素。
細部まで細やかに行きとどいた日本スタイルの方がセンスが良く、
見ていても華やかだ、と長い間、思っていました。
それがいつの間にか、こちらに感覚がなじんだのでしょうか、
むしろ日本に行ったとき、見るものや情報の多さに圧倒されてしまいそうに。
それをどこかで感じていたから、(先日ブログに書いたように)
私も日本からこちらに戻った時、
その質素でシンプルなところに「ホッ」としたのかもしれません。
似たようなことが、生活の色々な場面にあるように思います。
どちらが良い、悪い、ということではありません。ただ、
こちらに長く住み、ここを「ホーム」としてシンプルに素敵に暮らしている人たちと
同じ感覚を共有できたとき、私も仲間入りができたような気がして
ちょっとうれしく感じた日曜の午後でした。
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