2018/04/10

雑誌「ビッグイシュー」で叶った5年越しの思い。


2013年6月に撮影。


上の写真の雑誌、ご存知ですか?
東京、大阪を中心に、日本全国で売られている雑誌です。本屋さんではなく「路上」で。
私は5年前に名古屋の金山駅で、初めて佐藤さんから買いました。THE BIG ISSUE (ビッグイシュー) は「クオリティの高い雑誌を作りホームレスの人に仕事を支援する」という理念で英国で最初に作られたものです。1冊350円で、180円が販売者の方の収入になります。ずっと読みたくて、地元名古屋の金山駅で売られているのを見つけ、最初はちょっと勇気を出して、2冊を買いました。販売者の佐藤さんはさっぱりとした清潔な身なりで、物静かで、達筆な人でした。「普通の人だ」というのが話してみた印象でした。

ビッグイシューは海外のハリウッド俳優や有名人のインタビュー、国内外の様々な記事、環境問題の話、自然エネルギーに関する有識者のコラム、映画の紹介など旬の話題、そして困っている人を助けたり、町やコミュニティを良くしようと試みる人々の心がホッコリする話など、すごく面白くて分かりやすいし魅力的だったので、金山駅で佐藤さんを見つけると時折、買っていました。

その頃の私は某外語学院で英語を教えながら、「教えるだけでなく英語そのものをツールに仕事をしたい」とずっと思っていて、通訳・翻訳養成コースに通ったりもしていました。いつか自分の語学スキルを生かして大切な事を誰かに伝えられるような仕事をしたいと思い、「環境」×「英語」がキーワードでした。なので環境問題やエネルギー、海外の記事もよく取り上げられる「ビッグイシュー」を読んだとき「この雑誌にも翻訳者がいるだろうな、どうやったらなれるのかなあ」と考えていたのを覚えています。

それから時は経ち、昨年、このビッグイシューで翻訳者を募集していたのを知ったときは心臓がバクバクしました。
「もしかして、あのビッグイシューの翻訳者になれる??!」
そして試験を受けてみると、結果はなんと、合格!!!
これは、私の人生にとってもまさに「ビッグイシュー(おおごと)」

先月いただいた翻訳依頼はアマゾンの熱帯雨林での石油採掘に関する記事でした。
「これはたくさんの人に知ってほしい」と読んでいて胸が熱くなりました。地球の裏側の環境のことも、私たち先進国の人の生活スタイルや消費トレンドと深く結びついているから。ツケは近い将来の子供や孫の世代にやって来る。そんなことを思いながら、「これが私がやりたかったことだよー」としばらくジーンとしていたのを覚えています。日本の国外で、5年の時を経て、まさか叶うとは思ってなかったことが現実となり、この幸運と巡りあわせに深く感謝しています。

ビッグイシューはまた、ビジネスをすることで社会の課題を解決する「社会的企業」です。単に利益を求める企業ではなく、セーフティネットが意外にもろく、ある日突然、誰もがホームレスになり得る(と私は思っています)日本社会において、「蜘蛛の糸」のようなものだと思います。「誰もがやり直せる社会を」というのが理念です。最後の一人がホームレスを卒業する日まで、またみんなが知ってためになる大切な事を伝え続ける市民メディアとして、ずっと存続してほしいと思います。

はるばるカナダまで送ってくれます。毎回楽しみ!!

これからもがんばります!!面白くてためになるので、読んでもらえたら嬉しいです♪
販売者がいない地域では、図書館に依頼して仕入れてもらったり、個人での定期購読も可能。オンライン版の記事もありますよー

(今は金山駅では売られていません。現在の販売場所は名駅のレジャック前、旧松坂屋前、栄三越、今池ガスビル前です。詳しくはホームページをご参照ください。)